しなやかで美しいカラダづくりには欠かせない筋肉トレーニング。
そんな筋トレは、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動と組み合わせることで、さらなるパフォーマンス向上が期待できるとされています。
しかし、筋トレやランニングを行う理由は人それぞれであって、ダイエットやボディラインの引き締め、さらには健康維持を目的とする方も多いでしょう。
ただし、体型や目標が異なる人が同じトレーニングメニューを実施しても、期待した効果が得られるとは限りません。
そこで重要なのが、「消費カロリー」を意識することです。
消費カロリーを把握することで、自分の目標に合ったトレーニング計画を立てやすくなります。
ランニングなどの有酸素運動は、時間や距離に基づいてカロリー計算が容易ですが、筋トレの場合はどのくらいのカロリーを消費するのか、具体的な数値が気になるところです。
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、消費カロリーを理解し、適切なトレーニングを行うことが不可欠です。
消費カロリーの計算にはMETsを使おう!
運動を行う際に消費カロリーを考慮することは非常に重要。
では、具体的にどのように消費カロリーを計算するのでしょうか?
その際に役立つのが「METs」という指標です。
METsとはMetabolic Equivalents(メタボリック・エクイバレント)の略で、直訳すると「代謝の量」という意味。
この数値は、安静時(例えば、座ってテレビを見たり、横になって音楽を聴いたりする状態)を1とし、運動や活動を行った際に必要とされるカロリーの倍数を示しています。
例えば、ストレッチやヨガは約2.5METsとされており、これを行うことで、何もせずにいるよりも2.5倍のカロリーを消費することになります。
消費カロリーは、以下の式で計算できます。
METs × 体重(kg) × 時間 × 1.05 = 消費カロリー(kcal)
1つずつ計算がめんどくさい人は、リンク先に入力するだけで簡単に計算ができるツールがあるので、そちらを利用してみてください。
例:体重50kgの人が30分ヨガを行った場合
2.5METs × 50kg × 0.5時間 × 1.05 = 65.63kcal
ただし、この計算には安静時に消費されるカロリーも含まれています。
運動だけの消費カロリーを知りたい場合は、1METsを引いて計算する必要があります。
例:体重60kgの人が30分のヨガによって消費したカロリー
(2.5METs-1METs) × 60kg × 0.5時間 × 1.05 = 47.25kcal
減量を目的として運動を行う場合には、後者の方法で計算することで、より効果的にカロリー消費を把握することができます。
METsを活用して、自分に合ったトレーニングを行い、目標達成に向けて効率的に進めていきましょう。
筋トレの消費カロリーはどれくらい?
筋トレを行う際に気になるのが、その消費カロリーです。
筋トレにはさまざまな種類がありますが、ここでは自分の体重を使った軽度なトレーニング(腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワットなど)と、ジムで器具を使ったトレーニングの消費カロリーについて見ていきましょう。
自重トレーニングの場合
軽度な自重トレーニングのMETsは、約3.5です。
例えば、体重60kgの人が30分間自重トレーニングを行った場合の消費カロリーは以下のように計算できます。
(3.5METs-1METs)× 60kg ×0.5時間 × 1.05 = 78.75kcal
このように、軽度な筋トレでも約78.75kcalを消費することができます。
ただし、筋トレを行う際には、ケガを避けるために正しいフォームで無理をせず行うことが重要です。
器具を使った筋トレの場合
次に、ジムなどで器具を使って、負荷を加えながら行う筋トレのMETsは約8.0。
この場合、体重60kgの人が30分間器具を使った筋トレを行った場合の消費カロリーは、次のように計算されます。
(8.0METs-1METs) × 60kg × 0.5時間 × 1.05 = 220.5kcal
このように、器具を使った筋トレでは約220.5kcalを消費することができます。
筋トレの種類によって消費カロリーは大きく異なるため、自分の目的に応じたトレーニングを選ぶことが大切です。
筋トレを通じて健康的な体を手に入れ、効果的にカロリーを消費していきましょう。
1日の運動量はどれくらいが良いの?
1日の運動量の目安について、皆さんはご存じでしょうか?
厚生労働省が発表した「運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書」によると、18~64歳の人は以下のような運動を行うことが推奨されています。
- 強度が3METs以上の身体活動を23メッツ・時/週行う
- 具体的には、毎日60分のウォーキングやそれに相当する強度の運動を行うこと
この運動を行うことで、生活習慣病のリスクを低減し、健康的な体を維持することができます。
増量中(身体を大きくしている人)の人は、ウォーキングよりも筋トレでカロリーを調整しましょう。
ウォーキングの消費カロリー
ウォーキングは、3METs程度の運動です。
体重60kgの人が1時間ウォーキングを行った場合の消費カロリーは次のように計算できます。
(3METs-1METs) × 60kg × 1時間 × 1.05 = 126kcal
これを毎日行うと、1週間で合計882kcalを消費することができ、健康な体づくりに役立ちます。
減量のための目標設定
減量を目指す際には、以下の計算式を使って目標を設定できます。
減量したい体重(kg) × 7000kcal ÷ 期間(○か月) ÷ 30日 = 1日の消費カロリー
例えば、1か月に1kg減量する目標を立てた場合、1日の消費カロリーは233.4kcalとなります。
1kg × 7000kcal ÷ 1か月 ÷ 30日 = 233.4 kcal
体重60kgの人がこのカロリーを消費するためには、理論的に4.7METs以上の運動を毎日1時間行う必要があります。
233.4kcal ÷ 1.05 ÷ 1時間 ÷ 60kg + 1METs = 4.7METs
4.7METs以上の運動には、ゆっくりした背泳ぎ(4.8METs)、ソフトボールや野球の試合(4.0METs)、テニスのダブルス(5~6METs)、時速8kmのランニング(8METs)などがあります。
運動と食事のバランス
運動だけでなく、食事からの摂取カロリーも重要。
消費カロリーに対して摂取カロリーが多すぎると、ダイエット効果が表れにくくなり、やる気が低下する原因にもなります。
消費カロリーを計算してコントロールするだけでなく、摂取カロリーもきちんと管理しましょう。
女性が陥りやすい「FAT」とは?摂取カロリーの少なすぎは要注意
カロリーの摂取については、過剰も不足も良くありません。
特に、20~29歳の若い女性は、ダイエットや理想的な体型を目指すあまり、トレーニングをしすぎたり、精神的な負担を抱えたりすることで、必要な摂取エネルギー量を大幅に下回ることがあります。
このような状況で注意が必要なのが「FAT」という症状です。
ここでの「FAT」は「太っている」という意味ではなく、Female Athlete Triad(女性アスリートの三主徴)の頭文字を取ったものです。
具体的には、以下の3つの主な症状を指します。
- 利用可能なエネルギー量の不足
- 無月経
- 骨粗しょう症
まとめ
体の健康を考えて運動やダイエットに取り組んでいても、やり過ぎると逆効果になることがありますので、健康を維持するためには、しっかりと栄養を摂りながら、適度な運動を心がけることが重要です。
消費カロリーを正確に計算することは、健康管理やダイエットにおいて非常に重要です。
MET(メタボリック・エクイバレント)を活用することで、運動の強度に応じたカロリー消費を簡単に算出できます。
この計算式は、体重や運動時間を考慮に入れることで、個々のライフスタイルに合わせた具体的な数値がわかるので、健康的な生活を送るためには、自分の消費カロリーを理解し、適切な運動と食事を組み合わせることが不可欠です。
ぜひ、この計算式を活用して、より効果的な健康管理を実現しましょう。
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